あたしの手を掴む葵の力が
いつもより強く感じる。
正門を出ても
あたしの腕をぐいぐい引っ張りながら
葵は歩き続けた。
「ちょっ…葵⁇」
「…。」
「葵ってば…‼︎」
「…。」
あたしがいくら呼びかけても
葵からの反応が無い。
「葵‼︎」
「‼︎」
あたしが立ち止まると
ようやくあたしの声に反応した。
「葵…痛い。」
「あ…。わりっ…。」
とっさにあたしの手を離す。
「怒ってるの⁇」
「別に。」
「嘘だ。」
「嘘ついてねぇし。」
「嘘つき。」
「…。ったく。」
葵は呆れたように
やれやれと、首を横に振った。
「手、悪かった。」
「怒ってないの⁇」
「ん。」
葵は諦めたように、
少しだけ口元を緩めた。
「俺、あいつ嫌い。」
「宮原先輩⁇」
「ん。」
「どうして⁇」
「別に。なんとなく。」
「変なのっ。」
そのまま黙って歩き出した葵の後ろを
あたしも早歩きでついて行った。

