「………つってもな……。
一人じゃ勝てないのは分かりきってるし、かといって村の奴らは鬼相手にできるほど強くないし……。

協力してくれる奴を探すのが得策か…」


どちらかというと参謀タイプの桃太郎はいきなり村を出た割には冷静に、これからすべきことを判断しました。


と、そこに白い一匹の犬がいました。


「…ん?だれ?」

「桃太郎だ」

「ふぅん……ていうかおなかすいた……なんか食べるもの持ってない?」

「なんだ突然……」


と言いかけて、桃太郎は自分がきびだんごを持っていることを思い出します。


「………お前、俺が食い物やったら、言うこと聞くか?」

「…いうこと?…今もらわなきゃ死んじゃいそうだし……。
分かった、いうこときく」

「そうか、じゃあこのきびだんごをやるから鬼退治に協力しろ」

「わーい!いただきまーす!むぐむぐむぐ……。
ごちそうさまー!で、鬼退治って?」

「…お前、馬鹿か……?」

「バカじゃないー!
ちゃんということきくよー!きびだんごもらったから!」

「………大丈夫か、こいつ………」


桃太郎はきびだんごをあげて、犬をお供にしました。