そんなある日、事件が起きました。


「うわー!!鬼だー!!
鬼が出たぞー!!」

「きゃああああ!」


「さあ!金目のものを奪え!
邪魔する虫けらどもは殺してしまえ!」

「へい!」


村を鬼が襲ってきたのです。

大きな金棒を持った大きい鬼が村をどんどん壊していきます。



桃太郎はなんとか被害を食い止めようと鬼を相手に戦っていたのですが、鬼と戦えるのは桃太郎一人だけ。

何人もいる鬼に桃太郎一人では勝てませんでした。


そして、桃太郎にとってとてもひどいことが起こりました。


「見つけた!この押し花だな!」

「……っ!!!」


なんと、あの思い出の押し花を鬼にとられてしまったのです。

桃太郎は戦っているときに落とさないようにと、押し花を家に置いていました。


「……っくそ!待て!」

「おい!そろそろずらかるぞ!」

「待ちやがれっ…!
……くっそ…逃げ足めっちゃはえぇ……」


鬼は押し花を持ったまま、すたこらさっさと逃げてしまいました。