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『あら…?あなたさまは…?』

『…君は?ぼく、桃太郎』

『ももたろう…?すてきな名前ですね!』



『お父さまもお母さまもおうちから出してくれないんです。
だからかってにぬけ出してきてしまいました』

『お父さんとお母さん、心配しない?』

『大丈夫ですよ!』



『きれいなお花ですね!』

『だったらおし花にすればいいよ、いつでも見られるから』

『なるほど!じゃあ、さっそくそのオシバナ?をしましょう!』



『どうしても、もうかえっちゃうの?』

『ごめんなさい…』

『うん…だったら、このおしばなぜったいもってて。
またあうんだからね、やくそくね!』

『はい!』



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「………はっ…
……なんだ、夢か……」



桃太郎は小さい頃の夢を見ました。

子供の頃に会った、女の子。

再会の約束を果たせていないことを桃太郎は今でも気にしているのでした。


「あー…なんなんだろうな、この感じ」


あのときの、あの子とお揃いの押し花は今でも、いつも胸のあわせの中。


再会をずっと待ちわびていました。