そして、桃太郎はただ頭がいいだけではありませんでした。
「おーい!盗人だ!
そっちに逃げてる!捕まえてくれ!!」
「……ちっ」
外から村人が叫ぶ声が聞こえると、桃太郎は舌打ちしながらも木刀を手に取り、家をとび出しました。
走ってきた身なりの汚い男の行く手を遮るように立つと、桃太郎はあっという間に男を倒してしまいました。
「やー、ほんと助かった!ありがとう!」
「や…別に、いい」
男の後を追ってきた村人がお礼を言いますが、桃太郎はすぐに立ち去ってしまいます。
「かっこいいわよねー桃太郎様」
「本当、あの冷たい感じがまた格好よくて…惚れてしまいますね!」
「しかもとても見目麗しく…あぁ、あの方の妻となられる方はさぞかし美人なのでしょうね」
「まあ!桃太郎様が誰かのものになるなど!
考えたくもありません…!」
桃太郎は腕っぷしも強く、頭もよく、さらに見目麗しく。
村の女性達からかなりモテておりました。



