「ささ、桃を食べましょう。爺さん」

「そうだなぁ」


お婆さんが桃を包丁で綺麗に切り分け、二人で仲良く、ぱくりと桃を食べました。


すると、なんとびっくり。

お爺さんとお婆さんは若返り、ぴちぴちのお兄さんとお姉さんになっていました。


「婆さん!どうしたんだい?!
わしらが出逢ったあの頃に戻っているぞ!」

「まあまあ、なんてことでしょう!
もしかしたら、神さまが時間を贈ってくださったのかもしれませんねぇ」

「そうか…だったら、もしかしたら子供も授かれるかもしれないなぁ」

「まあ…!
神さまに感謝しなくてはいけませんねぇ」



若返ったお爺さんとお婆さんはそれはもう、すごい喜びようです。



一年後、二人のもとに、一人の男の子が生まれました。

その男の子は、"桃太郎"と名付けられました。