「そうだ、お前ら。
鬼退治が終わったんだから、好きなとこにいけばいい」
桃太郎はお供としてついてきてくれた犬、猿、雉に言いました。
「え?桃太郎はオレのご主人さまでしょ?
オレはどこにも行かないよ?」
「俺もだな、桃太郎の側は居心地がいい。
俺はこの村で弱きものを救おう」
犬と雉は村に残るといいました。
「そういや猿は、生き甲斐が見つかるまで俺が面倒見るんだったな」
「……いや、その必要はもうないかもね」
「?」
「見つけたかも。
生き甲斐っていうか、趣味みたいなもの」
「……そうか」
「だから、僕もここにいるよ」
「?……そうか」
「……犬と雉の馬鹿を見てるのが楽しいなんて、僕も随分……
変わった、よね。
ふふっ」
そうして猿も村に残りました。



