「ええ…ですが、私はもう婚約すると決まっております。
それに、鬼の私があなた様にお近づきになるなどできま─?!」


そこで桃太郎は彼女をぐっと抱き締めました。


「鬼だからなんだ……?
俺はずっと好きだったんだ。
やっと見つけた、もう離してやるつもりはない」

「桃太郎様………!」


幸せそうな顔で二人は抱き締め合いました。

犬も雉も、戻ってきた猿もびっくりです。


「ええええぇぇぇぇ!!!!」

「驚いたな……」

「てかありなの?その展開」

「俺の嫁になって、こちらに来てくれるか?」

「勿論です!桃太郎様!」

「まじか……」


こうして桃太郎は鬼を退治し、猿が見つけた宝物庫からお宝をどっさり持ち出し、村へ帰りましたとさ。