最高クールな桃太郎

桃太郎達は谷を進みます。


「ねー桃太郎。鬼ってどこにいるの?」

「鬼ヶ島だ。言わなかったか?」

「僕は聞いたよ。その時君もいたよ」

「え?!」

「しかし、島ということは船が必要じゃないか?
俺や犬は、大工は出来ないぞ」


雉の指摘に犬と猿ははっとしました。


「そうだよ!どうするの?!
かくなるうえは泳いで?!」

「そんなこと出来るわけないでしょ。
鬼と戦う前に体力切れ。服も重くなって戦えるわけないし。
考えなよ、馬鹿」


海の心配をするお供達に、桃太郎は不適に笑いました。


「問題ない。
これでも俺は辺境の村育ちだ。
大工仕事なんか当たり前にできる。
見てろ、海の近くまで来たら船を造る」

「おお~!桃太郎すごい!」

「インドア派の参謀タイプにしてはアクティブだよね、桃太郎って」

「そういう両親だったんだよ」


ちょっとふてくされていう桃太郎に雉が語りかけます。


「良かったじゃないか、そんな両親に恵まれて。
その両親のお陰で今船が造れて、鬼退治も出来るんだ」


桃太郎は雉の言葉をちょっと考えてからポツリと呟きました。


「……そうだな」


その後、海の近くまで来た桃太郎は両親のことを考えながら立派な船を造って、鬼ヶ島へ行くため船に乗り込みました。