「俺は熊が相手だろうと屈しない!
この雛は守り抜いて見せる!」

「はっよく言うぜ!トリのくせに!
やってみやがれ!」


そう言って熊が雉に襲いかかろうとしたとき、なんと雉は物凄い速さで熊に突進していきました。

あまりの速さに熊はびっくりして、思いっきりずっこけた後、わたわたして逃げていきました。


「雉って足速いんだな…」

「犬のオレより速かったかも…」

「犬は太ってるから負けても仕方ないかもね」

「猿ひどい!」

「まあ、そうでなくとも、雉って飛ぶのが苦手な代わりに、足は凄く速いんだよ。
二人とも知らなかった?」

「……そうか…あれなら、いいかもな………」


桃太郎がうんうんと頷いているのを見て、犬と猿は驚きます。


「仲間にするの?」

「食うつもりなんじゃなかった?」

「気が変わった。
自分の数倍図体がでかい奴相手に立ち向かっていける勇気があって、足が速くて、強い。
お供にするには十分だろ」


桃太郎は雉の元に姿を現しました。