昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。


「爺さんも随分と腰が曲がってきましたねぇ」

「そういう婆さんも膝が辛そうじゃないか、歳かなぁ」

「そうですねぇ……随分生きてきましたものねぇ。
わたしとしては、子供がいなかったのだけが心残りですかねぇ……」



お爺さんとお婆さんは二人、のんびりと日々を過ごしていました。


ある日、お爺さんは柴苅りに、お婆さんは川に洗濯をしにいきました。


お婆さんがせっせと洗濯物を洗っていると。


「あらあら…あれはなんでしょうねぇ……。
……桃でしょうかねぇ、でもまた随分と大きいこと」


どんぶらこ、どんぶらこと、大きな桃が流れてきました。

お婆さんは流れてきた桃を家に持って帰りました。