ジュースを飲みながら、暫く他愛ない話をしていた俺たちだったが、突然彼女が真剣な顔で俺の方を見た。

「ねえ、去年さ、嘘…ついたでしょ?」

「えっ…もしも合唱発表会の事なら確かに嘘をついたかな。でもなんで今頃?今まで何も言わなかったじゃん」

本当に予想してなかった。隠し通そうと思っていたのに、あっさりとボロを出してしまった。なんとなく申し訳なさがこみ上げて来る。

「実はあの後すぐに嘘ってわかったんだ。でも、あの後、裕くんって凄く一生懸命だったでしょ?私、見てたの。ただ本当の事が知りたくて。でもよかった。嘘ついてたの気にしてたんでしょ?」

「…まあな。友理を喜ばせるためとはいえ嘘をついたのは気にしてた。ごめん」

終わった気がした。なんとなく、ここでお別れな気がした。何か言わなくちゃいけない。けど、何を言えばいいのかわからなかった。

「いいよ。気にしてない。あんな話のあとじゃ言えないもんね。あ、そうだ!これは私個人のアレンジなんだけど、聞いてください。多分、裕くんもよく知ってると思うよー?」