満面の、でもどこか悲しそうな笑みを浮かべる彼女を見た時、俺は2つの感情を抱いた。1つは満足感。自分の彼女を安心させれたことに対する満足感だ。もう１つは後悔。嘘をついてしまったという後悔。いつかはバレる。同じ中学のやつらに聞けばすぐに嘘だってバレるだろう。その時に彼女を納得させるためには、嘘を本当にするしかない。それから俺は音楽について真面目に取り組むようになった。
