音楽のある日常

それから数日後には卒業し、春休み。

「ねえ、健。ありがとね」

「ん?何が?」

「演奏会の時。嬉しかったよ」

「あー、俺も自覚なかったけど優のこと好きだったらしくてさ」

「そっか。ねえ、今は?」

「聞くなよ。好きに決まってんだろ」

俺は優にやさしくキスをした。