私、宮川奈月穂 - ミヤカワナツホ - 15歳は、今日、中学校を卒業する。

巻いた髪をケープで固め、崩れないようにする。まだ風が強く、髪が崩れた格好で卒業式になんて出たくはない。

部屋の扉のドアノブを下に下げ、ゆっくりと前に押す。ひんやりとした空気が私を包み込み、廊下は薄暗く、私をビビらせるには充分だった。

リビングから漏れる明かりを頼りに、リビングに続く廊下を真っ直ぐと歩き、部屋と同じように扉を開ける。