紫久礼は、少し可愛いところがあるな。 バイクを走らせながら、さっきよりもぎゅーっと力が入ったお腹の腕を見て、そう思った。 「ただいま戻りました。」 「あぁ。 紫久礼くん。詳しいことは、妃茉梨に聞いてもらえばわかると思うから。」 「はい。」 「じゃあ妃茉梨、頼んだぞ。 紫久礼くんは、今日からここに住むことになっている。 部屋は、お前の部屋の隣だ。」 それだけ言って、お父さんはどこかへ行ってしまった。