あれから1ヵ月ほど経った。

最近夏休みになり、今日、8月に突入した。

今でも十分真夏の日々が続いているというのに、これからまだ暑くなるんだろうか。

部屋の扇風機の前で涼んでいると、お父さんの声がして、バッと立ち上がる。



「妃茉梨。
依頼、休みのうちに片付けておけよ。」



「御意に。」



…全然、御意なんて気分ではない。

こんな暑い中、あの真っ黒の服を着ると思うだけで、もう汗が出てきた。