試合前の練習帰りにカツバーガーを買うのが、ひそかな願掛けだった。 通学路から少し外れたところにある弁当屋は、自分の高校の人よりも仕事帰りのサラリーマンや近所の人が買いに来るのがもっぱらで、 なおさら願掛けが秘密めいて俺の楽しみになってた。 「お待たせしましたー、カツバーガーです」 ───この笑顔も込みで。