『佳奈ちゃーん……あっつ……
あのさ、明日はダメだ
明後日の朝、すずのやに来てくれない?
っくぅー……無理』
電話越しでもツラそうなのが分かる。
「え、美里さんどうしたの?」
『腰やった。立つのがめちゃめちゃキツい。
あたたた……
明日はお店閉めるわ。
明後日から、しばらく日替わり弁当の仕込みだけ
お願いしても良い?
佳奈ちゃんの家近いから電話しちゃったけど、
無理強いはしないからー』
「早起き大丈夫です、やります。
美里さんは大丈夫?」
『明日病院行こうかな。
前にも一度やったけど、
明後日には動けるようになると思うわ。
じゃあ、明後日からお願い!』
それから美里さんはお店の鍵や
調理場の細々したことを伝えると、
ツラそうに電話を切った。