「佳奈ちゃーん、弁当出来たよ!」
「あ、はあい!」
彼の視線を断ち切るように、後ろを振り向いた。
奥の美里さんから弁当を受け取る。
そのまま、もう片方の手で袋を取って、弁当を入れる。
急に近付いてきたからドキドキしてしまう。
それから顔も赤い。
「お待たせしましたー」
背伸びしてカウンター越しに袋を渡す。
七瀬君が袋に手を伸ばして、
「……お弁当、受け取らないの?」
七瀬君が袋を掴んだまま、動かない。
私も手を離すわけにはいかなくて、
片手で取っ手を、もう片方で弁当の底に手を掛けたまま、
動けずにいた。
彼は何かを考え込んでいるかのようにじっとしている。
「七瀬君?」
2人して袋の取っ手をカウンターを挟んで
一緒に持っているポーズに耐えられなくて、
私が名前を呼んだ。

