学校で遭遇した一件以来、七瀬君と話すようになった。
クラスも離れているので接点はあまりないけど
話せる仲になったのはすごく嬉しい。
しばらくは学校でしか会う機会がなかったけど
七瀬君は気さくに話しかけてくれて、
今ではお互いタメ口で話している。
そして知り合いになってから初めて、
七瀬君がすずのやに来た。
その時私はちょうど田中さんと話していた。
「───でさー、やっと企画が通ったの!
いやあー、長かったー。
だから、自分へのご褒美に肉の弁当でも
買いに行こうと思って、
それでさ……」
途中から田中さんの後ろへと
視線を向けていた私に気づいたのか、
田中さんも後ろを振り向いて、七瀬君を見つけた。