とても寒い、冬の話だった。 あの頃のわたしは 生き方が分からなかった。 名前も、言葉も、何もかも 分からなかった。 唯一分かるのは、 生きている という事だけ。 わたしは 誰に 何の為に 生まれてきたのだろう。 当時の自分は 酷く人間を恐れていた。 というより、恐れている事しか 出来なかった。