辺りは暗闇に包まれていた。静寂に包まれているその場所に、千尋と百合はいた。


すぐ隣にいるはずなのに、互いの顔が外からの明かりでうすぼんやりとしか見えず、二人の足音だけが響いている。


ふいに黙りこくっていた百合が言葉を発した。


「こんなことになるなら、面倒くさがんないで、最初から持ってきておけばよかったね。

もう、すごく怖い。なんか出そう」


-確かにすごく怖い、というか不気味…


心の中で同意しながら、こうなった原因を思い起こしていた。