この世界の朝日は眩しい。

目に直接光を当てるような感覚と、攻撃力。

眠気が吹き飛んじゃうような日差し。

「こりゃあ、今年の夏はバテる~」

「当たり前~!つか常識~!」

そんな会話をする女子高生達の声が聞こえてきた。

今はこの世界で言う春。

桜がヒラヒラと舞い散るなか、私だけノソノソと辺りを見渡していた。

「…?、あれ、お前、前もあったっけ。」

誰だ?…、と一瞬思ったけれど、記憶を蘇らせてみたら、その人はりんごの木に登っていた人だった。

「こんにちわ、そうじゃないかな。私達合ったかもね。」

口を引き寄せながら私は苦笑いして笑いかけた。

「へー!、湊こういう子好きなの?」

後ろから、チャラそうな女子が一人。

どうでもいいけど彼女だろうか、付きまとっているけど。

邪魔じゃないのかな。

「おいこら、離れろ。」

冷たそうな湊と名乗られた彼に何故か苛立ちを感じて私は、

「彼女なんだから、大切にすれば?こんなとこいてもあんまり私達は縁とかないし、では。」

そんなことを言えば、遠くから

「やったぁー!湊とカレカノだってー!あの子も祝福してくれてるよぉ?」

なんて言うから、

『あ、彼女じゃないのかな?』

と一瞬で諭した。

そんなことはほっとこうと思い、なんとなく名前が書かれていた席に私は座った。