「荷物、貸せよ。」 「えっ? これくらい自分で持てます。」 「俺様が持ってやるって言ってんの。 素直に渡さねーとちびって呼ぶぞ。」 とてもムカつく物言いだけど、 それは屈辱なので荷物を渡した。 「…お願いします。」 「これで片手が空いた訳だ。」 「そう、ですね。」 「貸せ。」 不意に繋がれた手は男らしくて。 男親の記憶がない私は、 慣れない感覚に振りほどくことも忘れ ただされるがままだった。