「ほら、シカトして入るよ。」

「余裕っしょ~。
びくびくしてんとイジられんよ!」





何とも頼もしい2人を盾にして、
もう一度教室へ足を踏み入れる。


「おはよ~ん。」

「お前ら酷くね!?
俺らの顔見て扉閉めることないのに!」

「泣きそーになったわ!」

「うちの可愛い紅がビビるから、
とりあえず囲むのやめてよ~!」





優しい優しい佳奈の一言で、
人だかりはバラバラと解散した。

「紅、私の裾強く握りすぎ。」

「はっ…。ごめん!」

「まったく。可愛いわね。」




一先ず空いている席に適当に座り、
担任の先生が来るのを待つことにした。