暴走族なんて、言わせない 《仮》

「?」

「ああ、その500円玉。拾ってくれてさんきゅーな。」

わたしの頭に更にハテナが増えたのを見かねてか、緑色がわたしに説明する。



忘れてた。

ギュッと握られた手を開けると、キラリんと光るものが。
この人たちのだったんだ〜!!!やばいよ、凄いとる気満々だったよ。

あ、でもこの人たち勘違いしてるし、拾ったってことにしとけば、?
大丈夫だよね?

「あ、ハイ。」

そういって、不良の手に震える自身の手を差し出しさっき拾ったばっかの500円玉をその手に載せた。
その時少し手が触れてしまい、ビクッとなった事には気づかないでいただきたい。

「ほんと、ありがと!探してたんだ。この500円玉大切なやつなんだよー!」

そう言って金髪がぱあああああと太陽の様な笑顔で笑うから、なんか申し訳ない気持ちになってわたしは気づいたら口を開いていた。

「ゴメンナサイ、ホントは取ろうとしてましたっ……!」

ああああああ!なんで言ってしまったんだ自分。もうちょっと頑張れよ、自分!というか自分の口!!

ちらりと3人を盗み見すると、3人は顔を見合わせた後笑った。
そりゃあもう、大きな声で。大爆笑しやがった。

「ちょ!……おねーさん!!!っぶ!!
はははは!!!……っ!正直、……!すぎるよ!!」

ギャハギャハと笑うその金髪達に少し引きながらもわたしはその場を立ち去ろうとした。

いや、だってね?
周りの目がすごい怖いのよ。
睨んでるのよ、この人たち異様にうるさい声で笑うから。
そんな私に気づいてか、レインボーがわたしの手を掴んだ。

肩がビクッと震える。

「くくくっ!面白いっすね!おねーさん。そんな事普通、俺達には正直に言わないっすよ!」

顔を歪ませて、笑うレインボーになんか怖さなんて無くなってしまった。
っていうか、爆笑してる彼等にもうわたしは怖さなんて吹き飛んでいた。

元々そこまで怖がっては無かったけどね。不良には慣れっこよ。
うちの大事な弟不良だもん。
『はなせよ、クソババア』とか言われたからね。この間。

「なんで、取ろうと思ったの。」

やっと笑いが収まったのか、目尻の涙を掬いながらわたしに話しかけてくる緑。
なんで取ったか?
そんなのさ、理由は一つに決まってるよね。

お金がなかったからだ!!

なんて言えるはずもなく。

「さ、財布の中身がね〜。」

なんて、曖昧に笑いながら流したら
彼は察したのか、ああと頷いたあと

「お金ないの?」

と笑った。
なんて失礼な奴なんだ、緑よ。
なんか、いまお金持ってないの。とかならまだいいけど。
お金ないの?とか言われたらお金持ってない人みたいじゃん。

「'いま'持ってないの!!!!」

キツめに言葉を吐くとまたケラケラと3人は笑い出した。
1体何に爆笑してるのか、全然わかんない。理解出来ない。

ただ、ひーひー笑う彼等を見てわたしも少し気分が良くなったことは事実だ。
感謝しておこう。

「おねーさん、お礼になんか奢るっすよ!」

「え?ほんと?」

あ、やってしまった。
ここは『そんな、悪いし。』とか謙遜しとかなきゃいけない所だった。
いや、わたしっていつもこういうの貰っとかなきゃ損、って頭があるから素直に喜んじゃうんだよね。

ってか人間ってそういうもんでしょ?
謙遜しながらも、内心は喜んでるもんでしょ?