携帯を上着のポケットに入れ、履きなれて薄汚れているスニーカーを足につっかける。
履き直さないまま、俺は家を出た。
ただ真っ直ぐ、目の前の暗闇をかきわける。小さな電柱の灯りを一つ、また一つと通り過ぎていく。
小さな赤色が見えた。止むを得ず俺は足を止める。
これほど、信号機や夜だというのに交通量が多い道路に憎悪を感じたことはない。
やけに赤信号が長く感じる。
本当に長くなっているのではないだろうか。神様かなにかが、俺に悪戯を仕掛けてるのではないか。
勝手な妄想が、混乱する頭を紛らわそうとする。
やっと変わった緑色を、一瞬のうちに通り過ぎる。
次の交差点を右へ。俺の向かう建物が見える。
限界が近づく足など関係なく、ただひたすら走った。
向かう先は、低いビルの立ち並ぶ中、威厳を見せつけるかのように建つ大型病院。
月は、まるで嘲笑うかのように。
俺と街を照らす。
履き直さないまま、俺は家を出た。
ただ真っ直ぐ、目の前の暗闇をかきわける。小さな電柱の灯りを一つ、また一つと通り過ぎていく。
小さな赤色が見えた。止むを得ず俺は足を止める。
これほど、信号機や夜だというのに交通量が多い道路に憎悪を感じたことはない。
やけに赤信号が長く感じる。
本当に長くなっているのではないだろうか。神様かなにかが、俺に悪戯を仕掛けてるのではないか。
勝手な妄想が、混乱する頭を紛らわそうとする。
やっと変わった緑色を、一瞬のうちに通り過ぎる。
次の交差点を右へ。俺の向かう建物が見える。
限界が近づく足など関係なく、ただひたすら走った。
向かう先は、低いビルの立ち並ぶ中、威厳を見せつけるかのように建つ大型病院。
月は、まるで嘲笑うかのように。
俺と街を照らす。
