綺麗に敷かれたベッドに、身を投げた。




ついさっきまで一緒にいたはずなのに、もう会いたくなってしまう。





病気と言ったらそうなるのだろう。俺は深いため息を吐く。





ほぼ同時に、軽快な音が無音だった部屋に響く。着信音。






ディスプレイに表示されたのは、零の文字。俺はすぐに通話に指をスライドさせる。





「あ、出るの早かったね」






いつもと変わらない穏やかな口調。雰囲気と同じ、優しい声。一度聞けば、頭から離れなくなってしまう。





「丁度使ってたから」





俺はいつもと同じくぶっきらぼうに答えた。





返ってくる言葉は、きっといつもと変わらないのだろう。そう思っていた矢先。





空間を切り裂くような破裂音が、耳元で鳴った。






.