「どちら様ですか?話したことあります?」 誰、こいつ。私は、警戒心丸出しで質問した。 「いえいえ、話したことはありませんよ。ただ、あなたにお願いしたいことがあってきました。」 「何ですか、そのお願いって。」 自分の名も名乗らない奴のお願いなんてほんとは聞きたくない。 「絵のモデルになってほしくて。再来月の文化祭の絵画コンクールで、あなたの絵でエントリーしようかとおもっていて。」 「ふぇ!?」 突然のことに、変な声がでてしまった。それより、正気か?話したこともない奴に頼むか、普通。