入学から1週間。
様々な人間関係が繰り出すグループと孤立化しているのは、氷ただ1人。
氷はどうしても人と関わるのに少し抵抗があるみたいで、仲良くしようとしてくれる子もいたが突き放してしまう。
「譯鵄さん。あのー仲良くしませんか?」
そう言って、クラスメイトの1人が声をかけてきた。
「…別に、仲良くしようと思わないので、お気になさらずに。」
なるべく、刺が無いように言ったが、その子は悲しそうな顔になった。
「(う~ん、刺があったか?まぁ、僕には友達なんて必要ないし、良いんだけど。)」
すると、どこからか声がした。
「何、あの言い方。酷いんじゃない?」
「あー。なんか、刺あるよねー」
また、聞こえる。
面倒くさい。
ま。どーでもいいか。

入学から独りの氷は、毎日屋上で昼飯を食べている。
「やっぱり、独りの方が落ち着くなぁ。」
食べ終わったお弁当箱を片付けて、氷はひなたぼっこをすることにした。
寝転がり、うつらうつらしていると、屋上の扉が開く音がした。
ガチャっという音の方へ目を向けると、そこには輪がいた。
どうやら一人のようだ。
「氷。何してるんだ?」
呼び捨て!?氷は心でそう思った。
「関係ないでしょ」
氷は吐き捨てるように言った。
「そっか。」
輪はゆっくりと氷の方に足を進めた。
そして、氷の隣に寝転がった。
「ちょっ…何?」
氷は焦ったように言う。
「氷と一緒にいたくて」
その言葉に氷は驚きを隠せないでいた。