ここ祗晏学園は、5つの町の中心に建つ唯一の高校。
各町内から高校生が集まる。
「君!サッカー部に入らないか?」
「いや!野球部に!」
先輩達が必死の勧誘している。
そう。祗晏学園は運動部に力を入れているのだ。
そんな中彼女─譯鵄 氷(やくし きよ)は部活の勧誘には目もくれず歩いた。
氷は白髪に水色のメッシュで、腰の位置まで長く、白い肌。目は光を全く感じさせない薄ピンク。かなり目立つ。
クラス表を確認すると、教室へと足を進めた。

教室にはすでに生徒があちらこちらでグループを作っていた。
氷は自分の席に座った。
氷の席は窓際の後ろから3番目。
鞄を横のフックにかけ、ボーッと外を見つめながら、鼻唄を小声で唄った。
「きゃはは!」
どこか、すごく大きな声で話しているグループがある。
話している声が大きいからか、内容がわかってしまう。
「あのさぁ、あそこの窓際の子。チョー暗くなぁい?」
「確かにぃ!ウケる~!」
どうせ僕の事だろう、氷は全く関係ないように外を見続けた。
~ガラガラ
「へぇ!ここが教室かぁ!」
そう言って入ってきたのは雅楽星 輪(うたほし めぐる)。
黒髪に青のメッシュが入っているウルフカットで、目は緑色。
輪は席につくとチャイムがなった。
そのチャイムと同時に先生が入ってきた。
「はぁい。これから、入学式です。皆さん並んで体育館に移動しましょう。」
先生の言葉で生徒達が一斉に動き出した。
そして、並んで体育館につながる連絡橋を渡った。
それにしても、入学式と言うのはとても退屈だ。
校長や理事長の話を永遠と聞かされる。
退屈を通り越して面倒くさい。