〜キーンコーンカーンコーン〜

あら、やだ私ったら、また考えこんでしまったわ。
今日はバイトの日だからしっかりしなきゃ!
こんな私が、あの地元で噂のカフェで働いているなんて、、、。
本当がんばらないと!


授業が終わり放課後。
いつも、ゆみこちゃんとさえと帰る。
今日も支度を終えて2人がこっちに向かってくる。

と、とっさに口を開いたのは ゆみこちゃんだった。


ゆみこ 「ねぇ!さっき、授業中にみつけたんだけど、これ応募してみない?」

そう言って出されたのは、全国バンドオーディション のサイトだった。


私は正直、いつかこういう事にも誘われると覚悟もあったが、バンド活動にあまり奮闘していない私にはさほど燃えない情報である。


ゆみこちゃんは、目をキラキラさせ、話を続けた。


ゆみこ「で!なんと優勝したひとバンドだけ、あのミュージックプラネットにでれるんだって!」

さえ「ミュージックプラネット!?あの、豪華なアーティストばっかり出てるゴールデンタイムの!」

2人の目は輝きを増すばかり。
あー、もう断れないじゃない…。

さっきは言い忘れたけど、私はヴォーカルだけじゃなく、ギターもしてるのよね。
スリーピースバンドだから、私がいないと、ベースとドラムだけになっちゃう。

ゆみこ「ね!お願い!出よ!」
さえ「うん!私も出たい!はるは?」

はる「うん。そうだね!ミュージックプラネットにでれる可能性があるなら…。」


ほら、私断れないのよ。
いつもこう。
けど、まぁ、ミュージックプラネットに興味がないわけじゃないし、もしかしたら、すがくんもその日の出演者なら、会えるかもしれない。

と、少し、期待している自分にもきづく。
まぁ、そんなうまい話ないよね。

2人が喜んでくれるなら、いっか。