―――三時ごろ、私は二人分のチーズケーキをもってレイの部屋へ。



コンコン


「レイ、開けて!」


ちょうど漫画を読んでいたみたいで、レイは漫画を片手にドアを開けてくれた。



「ほら、さっき言ってたチーズケーキ。食べな~」


「やった!さんきゅ~!」



レイはさっそくがっついていた。



「あれ、レナちゃんのぶんは?」


「ああ、私はいいの。また明日買えば……」



ユイにおごってもらうっていう手もあるし。




「じゃあ、俺のレナちゃんにあげるよ!」


ずいっとチーズケーキを私のほうに押しやるユキくん。


「いいの、ユキくんはお客さんなんだから食べて」



笑顔で言うと、ユキくんもあきらめた様子でフォークを持つ。


そして、サクッとわけたかと思うと、それを私の目の前にもってきた。



「じゃあ、一口だけでも!」


ユキくん、そこまでしてくれるなんて……将来はいい男になるね……。