「レナ姉、おかえり!ユキは大丈夫だった?」



レイは私がリビングに行くと、私のところに来て真っ先に聞いてきた。


「うん。もうお母さんも帰ってきてるしお薬も飲んだし、大丈夫だと思うよ」


「そっか、よかった~……」



レイは本当に安心したようで、ボフッと音を立ててソファに座った。

私も一緒にソファに座り、もう一度、さっきのユキくんのことを考えていた。


テレビを眺めていてもあの微笑みは頭から離れず、
まるで私の心をつかんでいるようだった。


「………はぁ……」


自然と出てくるため息は、いつもとどこか違うようだった。