弓道部大会当日。


私、ただいま38.9の熱で弓道部の応援に来てます………。


こんな体調で来られても迷惑だって分かってるんだけど、付き合って初めての大会だから、どうしても応援に来たかったんだ。


「あれ?佐山さん!応援来てくれたんですか?」


ニコニコして、私に近寄る木嶋。


「うん。頑張ってね!」



「…………具合、悪いんですか?」



「えっ?」



まさか気づかれるとは思わなくて間抜けな声が出た。



「具合悪くないけど?」



なんて、バレバレな嘘をついたら



「帰ってください。」



って、冷たく言われた。



「えっ?何で?」



「良いから。」




「でも、せっかく来たんだから!」



「良いから早く帰れよ!」



……………初めて木嶋にタメ口聞かれた。



でも、それは怒ってる声で………。




「どうしたー?優汰?」



「なんでもねーよ。」



初めて木嶋がタメ口使ってるの聞いた。



そういえば、木嶋に告白されるまでは私、木嶋の存在すら知らなかった。


「………………………うん。ごめん。帰る」



それだけ言って大会会場から出た。