「さっちゃん!」


私は春さんが吐いてしまっていたから、のどに詰まらないように横向きに寝かせ口の中をぬれたタオルで拭った。
自分もシャワーで濡れていたから急いで着替えを済ませた。
そうこうしていると誠さんが駆け付けてくれた。




「誠さん、春さんが・・・っ」

「うん。大丈夫だから。ベッドに運ぶの手伝ってもらっていい?」

「はい」



泣きそうになる私を優しく宥めるように肩を撫でてくれる。
しっかりしなきゃ。


きっと、私のせいなんだ。


わからないけど、私が何か、春さんのあけたくない扉をあけてしまったんだ。



いつもの春さんじゃなかった。




怖くて、張り詰めてて。



春さんの手、震えてた。