「ひどいと思いません?いきなりクビって!私が、なにをした!?…むしろ何もしてないのがいけなかったの?」
あれから何杯お代わりをしたのか覚えていない。
時々咎められながらも、グイグイと煽っていった。
そうしてないとやってられなかった。
その結果、バーテンダーさんを相手に愚痴りまくっている今の状態になった。
バーテンダーさんは、少し困った表情を浮かべながらも、私の話を聞いてくれている。
「そりゃあ、大変だったねぇ!」
「でしょう!?そうなんです!大変だったんです!」
いつの間にかカウンター席にいたもう一人のお客さん。
少し年配の男の人が、私の話が聞こえていたのか話しかけてくれた。
今、ここには私たち二人だけだ。
「渡部さん、なにかおつくりしましょうか」
「んー同じのにしようかな」
「かしこまりました」
その人は、渡部さんというらしい。
名前を憶えられてるってことは、常連さんなのかな。


