「好きで舞い上がる気持ちはわかるけど、ちゃんと見極めなさいね」
「見極める?」
「そう。自分を護れるのは、自分しかいないんだから」
春さんは、真剣な顔でそう言うと私の頭をサラッと撫でて立ち上がる。
それを視線で追うと、春さんは少し切なげに笑った。
「部屋に戻るわね」
「あ、はい」
「朝食は、必要ないから」
「・・・じゃあ、お昼だけ用意しときます」
「ありがと」
パタンと閉じられた扉。
なんだろう、春さんの様子が少しおかしかった。
うまく言えないけど、少し張りつめた空気。
なにかに、怯えているような・・・っていうのは、私の気のせいだろうか。
「・・・朝ご飯、食べなきゃ」
慌てて立ち上がるとキッチンに向かった。


