「なにしてるんですか、それお酒ですか!?」



慌てて駆け寄りグラスを取り上げた。
机の上にはワインの瓶が。



「なに考えてるんですか、熱があるのにワインなんて!薬だって飲んだのに」

「そんな、怒んないでよ。・・・お酒がないの眠れないのよ」

「え・・・?」




春さんはずりっと身体をソファに滑らせると上を向き目を閉じた。
初めよりは顔色はいいみたいだけど。

眠れないって・・・。
もしかして、寝てなかったの?
眠るまでついてようって、私が先に寝ちゃったんだ。



「ごめんなさい、春さん・・・」

「・・・なにが?」

「私、春さん差し置いて寝ちゃいました」

「ああ、別にいいのよ。そんな事、いつもの事だから」




ちらっと目をあけ私を見ると、すぐに目を反らし閉じてしまう。
やっぱりまだしんどいんだ。
いつもの事って・・・。