「春さん!」



俺を呼ぶ声がする。
足は急かすように速くなる。



戻りたかった場所。




会いたかった人。






「沙紀っ」





手を伸ばして抱きしめる。
ああ、ここにいる。




温もりが、ここにある。




「春さん、おかえりなさい!」

「ただいま。沙紀」