「だからこそ、こんなにも早くすんなりと事が運んだ。誰も、“oki”というブランド名に執着も、誇りももっていなかった。それが結果です」
「俺が、ここまで作り上げてきた会社だぞ!」
「あなたには、なにかを育て上げる技量なんてないんですよ!」
俺は、なにをこんな人に怯えていたんだろう。
こんなにも、醜く騒ぐような。
無様に喚き散らすような。
「あなたは、会社も、部下も、家族でさえも、自分のための駒としか思っていない。愛も、優しさも、思いやりも、なにも持ち合わせていない」
「そんなもの」
「そう。あなたにとってはそんなもの。ですが、それすらないあなたに誰がついていくと言うんですか。周りを見てください。あなたの周りになにが残っていますか。なにもないでしょう」
周りにはもう、敵ばかり。
あなたを慕う人間なんて。
「もう、あなたの呪縛に捕らわれるのは嫌なんです。俺は、愛も、優しさも、思いやりもある世界に行きたい」
「・・・っ」
「俺がいたい場所は、ここにはないんです」


