「ほら、たくさん食べな!」
「母ちゃん、またカレー?」
「うっ、しょうがないだろ。・・・カレーはたくさん作っておけるし、便利なんだよ」
母親は、働いて、一人で俺を育ててくれた。
一度も会った事のない父親が、手切れ金として多額の金を渡したらしいけど、その金には一度も手を付けていなかった。
一度だけ、その金について話していたことがある。
「こんな金。あいつにとってははした金なのよ。小さな針でちょんって刺したくらいの、痛くもかゆくもない感じ。それが悔しくって。あんな奴、好きになった母ちゃんが、バカだったのよね」
俺が生まれて、結構母親はあっちで大暴れしたらしい。
その結果のその金だったらしいけど、納得はいってないらしかった。
「あたしには、あんたがいるから、もうどうでもいいの!」
「はぁ?」
「大好きよ、倖也!愛してるぞ!」
母親のウザすぎる愛は、きっと俺の救いだった。


