「触るな!」
温厚なずっと笑ってた春さんの怒号。
私の手を振り払い、険しい表情を向ける。
ビクッと身体を震わせ手をひっこめた私。
あ・・・、男の人だ。
その迫力に、ビビってしまった。
「・・・ごめんなさい。でも、大丈夫だから」
春さんは、ハッとしたように視線を反らすと壁に手をつき歩き出す。
そうだ、誠さんが言ってたんだ。
体調を崩して帰ったって。
だから私急いで帰ってきたのに。
馬鹿だ、私。
衝撃的な事実を目の当たりにして、大事なことを忘れるなんて。
春さんが、女だって男だってそんなの関係なかった。
春さんは、困ってた私を助けてくれたのに。
嫌な顔せず私を介抱して、ここにいてもいいって言ってくれて。


