その一言でスーツ姿の男の人がぞろぞろとあらわれる。
男たちは両側から春さんを抑えつけ無理やり引っ張っていこうとする。
「離せ!」
「春さん!ちょっと、春さんをどこに!!」
慌てて助けようと駆けつけようとした私を他の人が抑えつける。
なんなの、こんな無理やりみたいな。
「沙紀!」
「春さん!」
春さんは、抵抗虚しく車に押し込まれてしまう。
それを見届け、私を抑えていた男たちが私を開放する。
べたっと地面に座り込んで、動き出した車を眺めた。
そうか。
春さんは、わかってたんだ。
こうなること。
だから、必死に隠して。
女の人の格好をしてまで・・・。


