「物好きがいるんだなぁ!」



大口を開いてケラケラと笑うのはもちろん倖也さん。
結局、倖也さんにはガトーショコラは渡せなかったから、代わりに既製品のチョコを渡した。
なにも渡さないのもね。

それで、誠さんに聞いたらしい徹平くんの事をこうやって笑われている。



誠さんめ!
倖也さんに言うなんて。

こんな反応すること、目に見えてたよ!




「5つ下の年下かぁ」

「だから、困ってるんです」

「いいじゃねぇか。付き合ってみれば」

「な!無理ですよ!・・・・っ」




だって!と続けそうになって口を噤んだ。
私たちはリビングの椅子に座っていて。
ダイニングの方では春さんがソファに座ってテレビを見ている。

春さんは、全く気にしていない様子に、当たり前なんだけど、少しがっかりしてる自分がいる。


なにを期待してるんだろう。
ヤキモチ、なんて無理に決まってるのに。