「――どうした?」
突然聞こえた声に、ハッとして顔をあげた。
いつの間にかバーに戻ってきていた。
不思議そうに俺を見る誠。
「ごめん、大丈夫だった」
「彼が送るって?さっき慌てて追いかけてったよ」
「・・・うん」
なんだろう、この気持ちは。
胸の中を、かき回されるような。
焦燥感に苛まれるような。
「店、閉めるか」
「え?」
「今日はもう客もいないし。閉めても大丈夫だろ」
「どうして・・・?」
「で、俺と飲もう」
そう言うとすぐに片づけ始める。
CLOSEの看板を出し、さっさと閉めてしまった誠はワインのボトルを取り出し、グラスを二個持ってきた。


