「あー、でも、そうか。だからこその・・・今日だったのかな」

「え?」



バーテンダーさんは少し困ったように頭をかく。
何かあったんだろうか。



「あの、バーテンダーさん」

「ああ、えと西脇誠(にしわきまこと)このバーのマスター。誠でいいよ」

「あ、えと。じゃあ誠さん。あの、春さんって、すごくお綺麗ですよね」

「え?」

「なんだか、大人の女性っていうか、すごく綺麗で、色気があってドキドキしちゃいました」




仕草の一つ一つが、なんとも言えない妖艶さがあって。
どうやったらあの色気って出るんだろう。




「私にはいくら歳を重ねてもたどり着けない気がします」

「え、ちょ、ちょっと待って?あれ?気づいてない?」

「・・・え?」



なんだか、慌てた様子の誠さん。
何か変な事言ったかな。