それから無事にマンションにたどり着いた。
うーん、不思議な子だった。
金髪だったし、まぁ、若いんだろうけど。
“家出”ってニュアンスが、可愛すぎだ。
でも、あの子のおかげで、少し落ち着けたかも。
男の子にあげたから一つ減ったガトーショコラ。
リビングに座って机にそれを広げる。
これ、どうしよう・・・。
春さんに見つかる前に処分した方がいいよね。
浮かれて作るんだじゃなかった。
春さんの傷は、思った以上に深い。
そうだよ。
手作りを嫌がる人だっている。
私、なにしてるんだろう。
「なにそれ?ガトーショコラ?美味しそうね」
頭上から突然聞こえた声にビクッと項垂れていた頭をあげた。


