「あ・・・おいしそう」
男の子が拾い上げたラッピングされたガトーショコラ。
透明のラッピングだから中身がわかる。
目を輝かせながら、むしろ涎でも出てきそうな視線で見つめている。
「・・・よかったら、あげます」
「え!?いいんですか!?・・・って、これ誰かにあげるつもりだったんじゃ?そんな大事なもの・・・」
私の言葉に素直に喜んだあと、ハッとしたように申し訳なさそうにする。
一回喜んじゃってるから意味ないからね。
なんだかおかしくてクスクスと笑った。
「あ、笑った顔の方がずっと素敵ですね」
「え?」
「本当に、いいなら、僕もらってもいいですか?」
サラッと、すごいことを言われたような気がする。
これは、うん。スルーしておこう。
「うん。よかったら、もらって。手作りだけど、よかったら」
「わ!ありがとうございます!」


